
対人関係療法
概要
1970年代にアメリカの精神医学者らによって開発されました。
当初の主な目的はうつ病の治療でしたが、その後多くの臨床研究により効果が確認され、今ではうつ病だけでなく、不安障害、トラウマ・PTSD、摂食障害、双極性障害など幅広い精神疾患にも応用され、世界中で活用されています。
もちろん、親子関係や夫婦関係、パートナー関係などの人間関係においても効果を発揮します。認知行動療法と同様にエビデンスのとれている心理療法です。
特徴
①医学モデルを採用
症状は病気であり、病気は治すことができるという捉え方。
病者の役割を与えるのも重要ポイント。
=病気は単なる状態ではなく、病気であることが一つの社会的役割になるという考え
②4つの問題領域から1つを治療焦点化する
1.悲哀
2.対人関係上の役割をめぐる不和
3.役割の変化
4.対人関係の欠如
③期間限定治療(セッション数)
初期(3〜4):IPT適合性判断、主要な問題領域の決定、治療契約
中期(9〜10):問題領域に取り組む
終結(2〜3):症状の変化、対人関係の変化、注意すべき兆候や状況、追加治療の必要性などに取り組む