
森田療法
概要
1919年(大正8年)に森田正馬により創始された心理療法です。
当時対象としていた疾患は神経衰弱でしたが、現在では不安障害、強迫性障害などのいわゆる神経症が主な治療対象疾患ですが、PTSD、心身症、うつ病、パニック障害などの疾患に対して適用されることもあります。
神経症の人は不安を打ち消そうとして悪循環に陥ります。森田療法では、そうした悪循環を打破して神経症の改善をもたらす治療法です。
森田は神経症の人々を治療していく中で、共通した性格傾向があることに気が付き、それが神経質性格です。
特徴
森田療法では、不安や症状に振り回されずに、生活の中で臨機応変に行動する中で、自分を現実に活かせるようになることを目指します。つまり、神経質性格を活かすということになります。
ただし、「あるがまま」になろうとしてなれるものではないため、頭で理解するだけでなく、生活の実践を通して体験的に身に着けていくことが重要になります。
つまり、森田療法では症状1つ1つをやりくりするのではなく、行動を立て直し、生活全体を充実させていくことに主眼が置かれます。そうした生活の関りを通して症状にとらわれたあり方が徐々に変化し、改善が得られていきます。